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認知症になるとできないこと

厚生労働省の推計によると、2015年時点で、65歳以上の認知症患者は約520万人。

65歳以上の人口の約16%、つまり6人に1人です。

さらには、2025年にはこの数は増えていき、約700万人、20%もの人が認知症になるといわれています。

 

認知症は、日本経済に大きな影響を与えています。

認知症になると、意思決定や意思表示、意思の確認ができないことで、通帳からお金を引き出せなくなります。

認知症患者が保有する資産はおよそ200兆円にのぼります。

これは企業の保有する預金額に相当します。

 

意思の確認ができず資産が凍結してしまったことで、

  • 本人の資産から介護費や施設費、生活費が引き出せなくなった
  • 本人名義の不動産を引き継ぐことができなかった
  • 自社株を行使できなくなり、会社の経営がストップしてしまった

などのトラブルが起こっています。

 

具体的にできなくなることはどのようなことなのか。

認知症に対する危機感を持っていただくためにも、ご説明します。

不動産の売却

不動産の名義人が、認知症になると、不動産の売却ができなくなります。

不動産の売買契約における決済の時点で、不動産名義人の(売主)意思能力が必要です。

認知症により意思の確認ができない場合、有効な契約ができないので、売却することができません。

 

ご本人の介護費用等の必要費をねん出するための売却であっても、本人は契約をすることができません。

また、たとえ親族であっても単純に代理することはできません。

お金の引き出し・振込・振替手続き

認知症になると、銀行口座からまとまったお金を引き出すことができなくなります。

事実上の口座凍結状態になります。

銀行側は親族間のトラブルや犯罪防止のため、意思能力の確認を必要としています。

本人は、銀行に行くことができなかったり、各種手続き書類を記載できない、窓口にて正常な受け答えができないなどの理由から、お金の引き出しが難しくなります。

銀行の判断により口座凍結をされてしまった場合、原則名義人が亡くなり、相続手続きが終わるまで、払い戻しができないことになります。

例え、金融機関のサービスとしての「代理人登録制度」についても、本人が認知症になった場合利用できなくなりますので、認知症対策にはなりません。

相続税対策

認知症になってしまうと、贈与や不動産活用(賃貸等で収益を得る)などの、相続税対策をすることができません。

不動産・預貯金・有価証券などの財産を「使用・収益・処分」する場合には、意思能力の確認を伴う手続きが必須ですので、例え100%本人のためでもすることができません。

 

現社長が自社株式を100%保有している場合でも、認知症になってしうと、株式を贈与・売却することはできません。

意思能力なくしては株式を行使することができないので、会社の経営はストップします。

新しい取締役を追加するのにも、株主総会を開く必要があります。

100%株主が行使できないと、株主総会を開くこともできません。

中小企業において、社長が一人ですべての株式を保有しているケースが多いので、認知症になると会社にとっても非常に危険です。

遺産分割協議

親族が亡くなり、遺産分割協議が必要な時に、相続人が認知症である場合、相続手続きができなくなってしまいます。

一般的に相続手続きでは、相続人全員で遺産分割協議を行います。

遺産分割協議は、相続人全員の意思の一致が必要であるため、認知症の人がいた場合は協議ができません。

 

 

このように、認知症になるとできなくなってしまうことがあります。

自分の家族の財産なのに、移動したり活用することは簡単にはできません。

しかし、判断能力が低下してから亡くなるまでの介護期間が長くなることも多く、その間名義人本人の口座から年金や貯金が下ろせないのは非常に困ります。

家族にとって深刻な事態に発展することも多く、近年相談が増えています。

 

認知症対策のための財産管理についても、お気軽にご相談ください。

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